平素より当院をご利用いただきありがとうございます。当院ではアレルギー検査の検査機器を導入いたしましたのでお知らせをいたします。
かねてより患者さんのアレルギー検査のご希望を伺うことが多く、その都度下記のようにご説明しておりました。
検査を行うためには2点の問題点があります。
1つ目の問題は血液検査にてアレルギー検査を行うことの臨床的な意義です。血液検査は簡便な検査ではありますが、結果が陽性になった場合、陰性になった場合どちらの場合においても多くの場合、その後の治療や経過の観察に変化がありません。
少し驚かれるかもしれませんが、実は結果が陽性になったとしても、実は症状の原因になっていない場合や、陰性になっても原因になっている場合もあります。そしてそれは無視できるほど少ない確率ではありません(疑陽性率は20-50%と言われます)。血液検査は参考にしかならないのです。
2つ目の問題は子供たちが感じる痛みです。もちろん必要な検査であれば痛みを伴う検査を行うのは仕方のないことかもしれません。しかし前述の1つ目の問題点である、臨床的な意義が少ない場合はやはり無闇に痛い思いをさせたくないというのが私の意見です。
これまでも上記と同様の説明をしてきましたが、もちろん絶対に検査しないよ!と言っているわけではなく、とりわけお子さん自身が検査に積極的な場合は検査を行ってまいりました。
それではどうしてアレルギー検査機器を導入したのかですが、
冒頭でもお話しした通り、検査をしてほしい患者さんがたくさんいるというのも理解しておりますので、できるだけそのご希望を受け入れつつ、かつ最小の痛みでできるようならお子様も我慢できるのではないかと考えました。
この検査機器は細い針を指先に当て、一瞬で抜き差しを行い、雫のように出てくる血液を用いて検査を行うことができます。肘に針を刺して5ml程度の血液を採取する方法に比べて明らかに少ない痛みで行うことができますので、私としても許容範囲なのではないかと考えました。
もちろん臨床的な意義が増えたわけではありませんので、結果に関しては参考値となることはご了承いただかなければなりません。
また、もう一つ注意点がございます。検査項目が固定の41項目になります。下記項目になりますので、これに当てはまらない項目の検査をしたい場合は以前と同様、肘からの血液検査になります。その場合はやはり以前と同様にお勧めしない方針となってしまうかもしれません。